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浦和地方裁判所 昭和61年(わ)661号 判決

本店の所在地

埼玉県新座市野火止四丁目一九番八四号

株式会社清和精機

右代表者代表取締役

青木明

本籍

東京都中野区新井一丁目八七番地

住居

同都練馬区大泉学園町七丁目二一番地

会社役員

青木明

大正一三年六月三〇日生

右の者に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官渡邉繁年出席のうえ審理して、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社清和精機を罰金一、八〇〇万円に、被告人青木明を懲役一〇月にそれぞれ処する。

被告人青木明に対し、この裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、昭和五八年七月六日までは商号を株式会社清和精機制作所として本店を埼玉県和光市白子一丁目一五番二一号に置き、同月七日に商号を株式会社清和精機と変更した上、本店を同県新座市野火止四丁目一九番八四号に移転し、双眼鏡及び光学機器類等の製造販売を目的としている資本金二、二〇〇万円の株式会社であり、被告人青木明は、被告会社の代表取締役として、その業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、たな卸を除外し、架空仕入、架空外注加工費及び架空試作開発費を計上するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  昭和五六年一〇月一日から同五七年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一〇〇、七九七、二三八円(別紙修正損益計算書No1参照)であったにもかかわらず、同五七年一一月三〇日埼玉県浦和市常盤四丁目一一番一九号所在の所轄浦和税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三、一五四、七四七円で、これに対する法人税額が一二五、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額四〇、五五四、二〇〇円との差額四〇、四二八、五〇〇円を免れ

第二  昭和五七年一〇月一日から同五八年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一六五、九一三、〇四四円(別紙修正損益計算書No2参照)であったにもかかわらず、同五九年一月四日、前記浦和税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八七、七四三、七〇七円で、これに対する法人税額が三四、六二八、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額六七、四五二、二〇〇円との差額三二、八二三、八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一  被告人青木明の当公判廷における供述

一  被告人青木明の検察官に対する各供述調書

一  被告人青木明作成の各答申書

一  収税官吏の同被告人に対する各質問てん末書

一  収税官吏の青木笑子、小川松治郎、大河原和男(二通)、長谷川照子、石橋威、石橋正、鎌田弘(二通)、岩島千代子、柴山雅樹、服部忠雄、山元武博(二通)に対する各質問てん末書

一  収税官吏作成の各調査書

一  収税官吏作成の昭和五九年一一月一四日付証明書(納税義務者株式会社清和精機の法人税の申告書に関するもの)

一  商業登記簿謄本

(法令の適用)

1  被告人青木明関係

法人税法一五九条一項、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第一の罪の刑に法定加重)、二五条一項

2  被告人株式会社清和精機関係

法人税法一六四条一項、一五九条一項、一五九条二項、刑法四五条前段、四八条二項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 杉山忠雄)

修正損益計算書

株式会社 清和精機

自 昭和56年10月1日

至 昭和57年9月30日

〈省略〉

修正損益計算書

株式会社 清和精機

自 昭和57年10月1日

至 昭和58年9月10日

〈省略〉

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